■5角24面体の黄金化と5角60面体の白銀化(その4)

 これまでこの立体について説明してきたが,紙面上ではこの立体の形を理解することは困難だろうと思う.それでももう少しおつきあいを願いたい.

 金原博昭さんから(その3)の計算値と実測値の間にズレがあるというご指摘を頂いた.再検討してみたところ,方程式の立て方に誤りが見つかった.しかもその誤りに長い間気づかないでいた・・・.

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【1】Gedankengang

 (その2)ではグラフと∠MAC=38.9215,33.2828との交点を求めたが,5角形面の場合,対角線がヒンジとなりこの値が保存されないのである.

 しかしながら,別の方程式の立て方が思いつかないので,(その2)の極小点を求めてみることにした.極小点で多面体の歪エネルギーが最小になるのではないかという勘が働いたからであるが,実の所よくわからないことを白状しておく.

 歪エネルギーを最小にする物理的条件を解くのはかなり困難であると思われるが,この極小点はそれに近似的に等しいはずという立場にたって計算してみると,5角24面体(緑)では変形パラメータがs=0.723,t=0.78586のとき,∠MAC=31.192,5角60面体(黄)では変形パラメータがs=0.952,t=1.04645のとき,∠MAC=33.959という計算結果が得られた.

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【2】二面角の計算

 阪本ひろむ氏に求めてもらった連立3元2次方程式の解と回転行列をもとに必要な頂点座標を計算し二面角を求めた.二面角は

  黄金化5角24面体の二面角=129.63, 134.446 (150.242)

  白銀化5角60面体の二面角=114.477, 129.867 (94.5453)

と計算されたが,実測値との間にズレがありそうである.

 位置が保存される点をもう1点をみつける必要があるが,どのようにしてみつけたらよいのだろうか?

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