■数とあそぶ(その16)

【2】分割数の近似式

 p(n)を評価する問題は数論において研究されていて,ラマヌジャンが予想した注目すべき漸近近似式

  p(n) 〜 1/4n√(3)exp(π√(2n/3))

は,1918年,ハーディーとラマヌジャンによって,円周法を用いて証明が与えられています.

 実は,円周法に基づく漸近公式の結果を正確に証明するだけでも,長くてこみ入った理論が必要になります.そこで漸近公式の概要だけを簡単に述べますが,σ(k)をkの約数の和とすると,p(n)に対する漸化式

  p(n)=1/nΣσ(k)p(n-k)

において,σ(k)の漸近的振る舞い

  1/n^2Σσ(k)〜π^2/12

を用いると,nが大きい場合の分割数の漸近挙動

  p(n)〜exp(π√(2n/3))/4n√3

を得ることができます.このことから,p(n)は準指数関数と考えることができます(p(n)^(1/n)→1).

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