■高次元図形の理解のために(その5)

 n次元単位超球{x1^2+x2^2+・・・+xn^2≦1}の体積をn次元球の体積をVn,表面積をSn-1とします.

  Vn=π^(n/2)/Γ(n/2+1)

で与えられますが,V1=2(直径),V2=π(面積),V3=4π/3(体積)はご存知でしょう.

 nが整数のとき,実際にVnの値を計算してみると,超球の体積はn=5のとき最大8π^2/15=5.2637・・・となり,以後は減少します.

       Vn

1次元    2

2次元    π=3.14

3次元    4π/3=4.19

4次元    π^2/2=4.93

5次元    8π^2/15=5.263

6次元    π^3/6=5.167

7次元    16π^3/105=4.72

(次元を整数に限らなければ5.256次元で最大となり,そのときの体積は5.277・・・である.)

単位超球の表面積Sn-1はnVnとなります(半径rのn次元球の体積はVnr^n,表面積はnVnr^n-1).

  S1=2π,S2=4π

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  Vn+1=Sn/(n+1)

  Sn+1=2πVn

  Vn=2πVn-2/n

2π<7より,直観に反してn<7のときVnは最大になることがわかります.

 実際はn=5のとき最大になるのですが,n≧5のとき,n次元球を配置して,その凸包の体積を最小にするには,直線状に並べるの最善配置であると予想されています(ソーセージ予想).具体的にはn≧42のとき成り立つことが証明されています.

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