■e+πに収束する分数列(その8)

 有理数は有限連分数,無理数で代数的数の場合は無限循環連分数,超越数は無限非循環連分数になります.たとえば,超越数eの連分数展開は,

  e=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,10,1,1,12,1,1,14,1,1,16,・・・]

と書け,eは有理数でないだけでなく,2次の無理数でもないことがわかりますが,数字の出方が自然数順になっていることもわかります.

  e=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,・・・,1,2n,1,・・・]   (オイラーの公式)

すなわち,2次の無理数のように規則的になっているわけですが,eのように超幾何関数の特殊値は3次の無理数よりも,2次の無理数に近いということなのでしょうか?

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【1】eに収束する分数列

  an+1=(4n+2)an+an-1,bn+1=(4n+2)bn+bn-1

初期値をa1=1,a2=3,a3=19,b1=1,b2=1,b3=7とすると

  an/bn→ e

となります.

n  1   2   3   4   5   6

an 3  19 193 2721 49171 1084483

bn 1 7 71 1001 18089 398959

大変よい近似分数を得ることができます.

 これは,連分数展開

  e=1//1−1//1+Φ(1//2−1//(2k+1))

  (e−1)/(e+1)=Φ(1//(4k−2))

に基づいています.

 ただし,α=e−2=.718281828459・・・について,逐次の{bk}は1,2,1,1,4,1,1,6,1,・・・,逐次近似分数は

  1/1,2/3,3/4,5/7,23/32,28/39,51/71,334,465,・・・

で,あまりよい近似は得られていません.

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  e=1+x+x^2/2+x^3/6+・・・

を連分数表示して,

  e=1//1−x//1+x//2−x//3+x//2−x//5+x//2−x//7+・・・

 x=1とすれば,逐次近似分数は

  1/1,1/0,3/1,8/3,19/7,87/32,193/71,1264/465,2721/1001,・・・

なのですが,ここで,−x//1+x//2,−x//3+x//2,−x//5+x//2のように,2項ずつまとめれば

  e=1//1+1//2+1//6+1//10+1//14+・・・

=1//1+Φ1//(4k−2))+・・・

となって,大変よい近似

  19/7,193/71,2721/1001,49171/18089,・・・

を得ることができるというわけです.

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