■面積7倍の三角形と縮小三角形

【1】面積7倍の三角形

 三角形の3辺をそれぞれ2倍の長さになるまで延長する.その面積は元の三角形の7倍である.このことは,図にいくつかの補助線を引いてやれば,面積は等しい7つの三角形ができることから示される.

 一般に与えられた三角形の各辺を同じ倍率kで伸縮した位置に点をとって作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の

  M=3k^2−3k+1=3(k−1/2)^2+1/4

倍になる.

  k=1/3 → M=1/3  (3等分)

  k=1/2 → M=1/4  (4等分)

  k=2/3 → M=1/3  (3等分)

  k=1   → M=1

  k=2   → M=7    (7等分)

となる.

 0<k<1のときはもとの三角形より小さくなり,k=1/2のとき最小値1/4をとる.k>1のときはもとの三角形より大きくなり,k=2のときには7倍になる.

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【2】縮小三角形

 三角形ABCの各辺を1:λの比に順次内分した点D,E,Fとし,AD,BE,CFの2本ずつの交点が作る三角計PQRを仮に「縮小三角形」と呼ぶことにする.

 一般に,与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとって対頂点と結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の

  M=(λμν−1)^2/(λμ+λ+1)(μν+μ+1)(νλ+ν+1)

倍に等しくなる.

 この場合はλ=μ=νであるから,

  M=(λ^3−1)^2/(λ^2+λ+1)^3

=(λ−1)^2/(λ^2+λ+1)

λ=1(中線)のとき,三角形は重心に退化するというわけである.

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 ここでは各辺をλ:1に内分する位置にとったが,パラメータを変えて,各辺をδ:1−δ  (0<δ<1/2)に内分する位置にとると,

  λ=δ/(1−δ)

  M=(1−2δ)^2/(1−δ+δ^2)

となる.

 なお,与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとって点同士を結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の

  M=(λμν+1)/(λ+1)(μ+1)(ν+1)

倍に等しくなる.

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