■直観幾何学研究会(その9)

 だいぶ寄り道したが,もう少し道草を続けたい.

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[1]cos(π/7)

 cos(π/7)が3次方程式:8x^3−4x^2−4x+1=0の解として得られます.

  x=1/6{1+√7cos(1/3arctan3√3)+√21sin(1/3arctan3√3)}=0.900969

 すぐに思いつくのは7倍角の公式

  cos7θ=64cos^7θ−112cos^5+56cos^3−7cosθ

において,θ=π/7,cosθ=xとおくと

  64x^7−112x^5+56x^3−7x=−1

7次方程式の解として得られるというものであるが,3次方程式に還元させてみよう.

 θ=π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=π,4θ=π−3θ

より,

  cos4θ=−cos3θあるいはsin4θ=sin3θ

 前者は4次方程式

  8cos^4θ−8cos^2θ+1=−4cos^3θ+3cosθ

後者は

  8sinθcos^3θ−4sinθcosθ=−4sin^3θ+3sinθ

  8cos^3θ−4cosθ=−4sin^2θ+3

  8cos^3θ−4cosθ=4cos^2θ−1

より3次方程式:8x^3−4x^2−4x+1=0に帰着する.後者の方が方程式の次数が下がり,(n−1)/2次方程式となることがおわかりいただけるであろう.

[2]cos(2π/7)

 θ=2π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=2π,4θ=2π−3θ

より,

  cos4θ=cos3θあるいはsin4θ=−sin3θ

 前者は4次方程式

  8cos^4θ−8cos^2θ+1=4cos^3θ−3cosθ

後者は

  8sinθcos^3θ−4sinθcosθ=4sin^3θ−3sinθ

  8cos^3θ−4cosθ=4sin^2θ−3

  8cos^3θ−4cosθ=−4cos^2θ+1

より3次方程式:8x^3+4x^2−4x−1=0に帰着するというわけである.

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