■ウィア・フェラン泡(その63)

 K=S^3/V^2が最小となる多面体は

f=4:正四面体,K=374.12

f=5:三角柱,K=280.59

f=6:立方体,K=216.0

f=7:五角柱,196.19

 ゴールドバーグはf>7の場合について,角錐,角錐台,重角錐,重角錐台,ねじれ重角錐,ねじれ重角錐台などを中心に検討した.その結果,f=14の場合はねじれ重角錐台5^126^2が最小になるのではないかと予想した.これがゴールドバーグの14面体で,ケルビンの14面体4^66^8とは異なっている.

  S^3/V^2=150.123 (ケルビンの14面体)

  S^3/V^2=147.854 (ウィア・フェランの極小曲面における14面体)

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 ゴールドバーグの計算は,球に内接することを仮定しているが,空間充填多面体であることは仮定していないため,

 k=143.89,傾斜角26°50′

を得ている.

 ところが,2009年に計算した数値解は

  n=4のとき,θ=28.20°

  n=5のとき,θ=26.56°

  n=6のとき,θ=25.66°

で,

  M. Goldberg: The isoperimetric problem for polyhedra, Tohoku Math. J. 40, 226-236(1935)

の数値解とは約1°の差があった.

 その原因は不明であるが,今度はうまく行くだろうか.

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