■デューラーの八面体の製作(その29)

 デューラーの八面体が内接球をもつための条件を検算してみたい.

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 まず,切頂前の菱形六面体について,菱面体の中心の座標は(d+x/2,0,z/2)であるから,内接球をもつとしたら,その中心は(d+x/2,0,z/2)であり,半径はz/2となる.

 念のため,

  (0,0,0),(d,1,0),(x,0,z),(d+x,1,z)

を含む平面の方程式を,

  X+bY+cZ=0

とおくと,

  d+b=0,x+cz=0 → b=−d,c=−x/z

より

  X−dY−x/zZ=0

となる.

 中心(d+x/2,0,z/2)から,この平面までの距離は

  |d+x/2−x/2|/√(1+d^2+(x/z)^2)

 =d/√(1+d^2+(x/z)^2)

  x=(d^2−1)/d

  z^2=d^2+1−x^2=3−1/d^2

より,

  (x/z)^2=(d^2−1)^2/(3d^2−1)

  1+d^2+(x/z)^2=4d^4/(3d^2−1)=4d^4/d^2z^2=4d^2/z^2

 中心(d+x/2,0,z/2)から,この平面までの距離は

  dz/2d=z/2

が成り立つので(実際に内接するかどうかまではわからないが)各平面(の延長)までの距離は等しい.

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 次に,切頂によってできる正三角形面までの距離を求めてみたい.

  (td,t,0),(td,−t,0),(tx,0,tz)

を含む平面の方程式を,

  X+bY+cZ=D

とおくと,

  td+bt=D,td−bt=D,tx+ctz=D → b=0,D=td,c=(d−x)/z

より

  X+(d−x)/zZ=td

となる.

 中心(d+x/2,0,z/2)から,この平面までの距離は

  |d+x/2+(d−x)/2−td|/√(1+((d−x)/z)^2)

 =|(3/2−t)d|/√(1+((d−x)/z)^2)

  x=(d^2−1)/d

  z^2=d^2+1−x^2=3−1/d^2

より,

  d−x=1/d

  ((d−x)/z)^2=1/(3d^2−1)

  1+((d−x)/z)^2=3d^2/(3d^2−1)=3/z^2

 中心(d+x/2,0,z/2)から,この平面までの距離は

  |(3/2−t)d|z/√3

=rとなることが確認された.

 これがz/2と等しくなるためには,

  |(3/2−t)d|=2/√3

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