■ウィア・フェラン泡(その23)

 デルタ多面体は正三角錘,正四角錘,正五角錘,正三角柱,四角反柱に分解されるのですが,デルタ12面体だけは例外です.

 8個の頂点と12枚の正三角形からなる分解不可能なザルガラー多面体で,双子の正十二面体とも呼ばれるデルタ多面体です.木工的には一体型でなく組み合わせ型で作る方が面白味があり,四面体を6個を組み合わせることにしたのだが,意外なことが判明しました.6個の表面は繋がるのですが,あいだに空洞ができてしまいます.(写真中央が7個目の四面体である(6+1)).

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 デルタ12面体は双子の正12面体とも呼ばれてきた多面体ですが,この多面体の存在は他よりも初等的でなく,それを構成するには3次方程式の解を必要とします.

 この方程式は,x^2=zとおくと

  z^4−21z^3+132z^2−320z+256=0

であるが,

  (z−4)(z^3−17z^2+64z−64)=0

となって3次方程式に帰着される.ゆえにデルタ12面体は定規とコンパスによって作図可能ではない.

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