■デューラーの八面体の設計(その11)

 [参]乙部融朗「準正多体胞」

は東大数理(河野俊丈先生)に保管されていた資料に,故・乙部融朗翁と小生との往復書簡を合本,小冊子とした私家版である.氏の資料の散逸をおそれた小生が私費でまとめたものであるが,実は解読は完全には進んでいない.

 氏はわが国の高次元幾何学の始祖であるが,一部難解なところを除き,思考自体は自然な流れになっていると思う.

 先月,京都大学で開催された数学者たちの研究集会に参加したが,たとえ数学者たりとも,高次元について計数・計量できる人はほとんどいない.したがって,誰でも最初は難しく感じるだろうが,われこそはと思わん方は是非チャレンジしてみて欲しい.読み進むにつれて高次元を実感できるようになるはずである.

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