■ウィア・フェラン泡(その4)

[1]6角形の辺長と内角

[2]2種類の五角形の辺長と内角

[3]二面角

の計算は済んだが,今回のコラムでは

[4]面間距離

を計算してみたい.

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 いずれも五角形,六角形面よりなる多面体であるが,平面

  ax+by+cz=d

は3点(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),(x3,y3,z3)で定まるから,これより(a,b,c,d)を求めることにした.

[1]五角十二面体の面間距離:11.2691

[2]ねじれ重角錐台の面間距離

 上面と下面の六角形面間:10

 左右対称な五角形(底辺=6.2996):

  捻れのため,稜面距離になると思われるが,11.0916

 左右対称な五角形(底辺=2.77218):

  捻れのため,稜面距離になると思われるが,12.2474

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[まとめ]

 1994年,アイルランドの物性物理学者,ウィアは合金構造をヒントにもっと面積が小さくなる解を発見しました.同じ体積の2種類の多面体による空間充填なのですが,不等辺五角形の面をもつ12面体(5角形12枚)と14面体(5角形12枚と6角形2枚)が1:3の割合で並ぶものです.

 単位ブロック(平行移動だけで充填し得る形)を作るには,12面体2個と14面体6個を積み重ねた8個を1単位とする.8個で1単位というのは空間充填18面体の場合と同じで,cubic symmetryでは自然なことなのであろう.

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