■クラインの整数(その12)

 リー型の単純群はA型からG型まで7種類あるとしてよく,さらにまた16種類に細分することができる.

 ドイツのキリングとフランスのカルタンのよる単純リー群(詳しくは複素コンパクト型単純リー群,古典線形群はみな含まれる)の分類の成功が大きな影響を与えた.既約ルート系の分類の基づいて,複素単純リー代数の分類を行ったものがカルタンの分類定理であり,それは『いかなる複素単純リー代数もAk(k≧1),Bk(k≧2),Ck(k≧3),Dk(k≧4),E6,E7,E8,F4,G2の型のものに限られる.』というもので,Ak,Bk,Ck,Dk型の複素単純リー代数は古典型,E6,E7,E8,F4,G2の型のものは例外型と呼ばれる.

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 単純リー群には9つの型がある.それらはA,B,C,Dと名づけられた4つの無限系列とE6,E7,E8,F4,G2と名づけられた5つの例外群であった.キリングやカルタンの研究は面白い幾何学がどれだけできるかという設問に対する解答でもあり,大ざっぱにいえば,A型が複素ユニタリ幾何,B型とD型がそれぞれ奇数次元と偶数次元の実ユークリッド幾何,C型が4元数上の幾何学,5つの例外型は8元数上の幾何学に対応しているのである.

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 4つの古典群,5系列の例外群,さらにそのうちで対称性をもつA,D,E6,D4の4系列,疑似対称性をもつB2,G2,F4の3系列で16系列,素数位数の巡回群と交代群も含めて総計18系列に細分される.

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