■クラインの整数(その3)

 どういう負の数−dを使った数体系Q(√−d)で,素因数分解は一意となるのでしょうか?

 この答えは既に知られていて,次の9つの虚2次体Q(√d)

  −d=1,2,3,7,11,19,43,67,163

に限られるというものです.このコラムをご覧の読者であれば,最初の2つ以外では半整数a,bを使って,a+b√−dを作る必要があることはおわかりでしょう(=1(mod4)).

 解説によっては,一意分解性をもつ虚2次体は9個のみで,その判別式は

  D=3,4,7,8,11,19,43,67,163

に限られるとも説明されています.その場合,アイゼンスタインの整数は判別式3,ガウスの整数は判別式4,クラインの整数は判別式7に相当します.

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[5]円分体の整数

 代数的整数環{a+bθ,s,bは整数}

あるいは,

 円分体の整数環Z(ζ),ζ=xexp(2πi/m)

を考えると,

  θ=√−2,√−5,(−1+√−7)/2,(−1+√−11)/2,(1+√5)/2  

なども用いられているようです.

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