■ワイソフ多胞体の遺伝子(その2)

 ワイソフ多胞体のfベクトルを求めるには,これまで群論的あるいはグラフ理論的な方法が用いられてきた.コクセターは当時の流行を採り入れ,コクセター図形からfベクトルを求めたのである.

 その方法は部分的な解決をもたらしたが,全面解決にはほど遠かった.逆に,群論に捕らわれすぎたガチガチの群論学者のようであり,幾何学の心を忘れてしまったかのようにみえるほどである.

 fベクトルは元来,組み合わせ位相幾何学的に求めるべきである.しかし,これまでの単純な組み合わせ位相幾何学的方法では解決できなかったところを見ると,何らかのアイデアが必要だったと思われる.

 そのアイデアが多胞体の遺伝子であって,その方法を適用すれば,高校生にだって高次元立体の諸計量(fベクトルや体積など)を簡単に計算できるようになるのである.これで,高次元結晶を仮想的に構成する準備は整った・・・

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