■ワイソフ多胞体の遺伝子
DNAはほとんどの生物の遺伝情報を搭載している.DNAをらせん階段とすると踏み板に相当ものは塩基対(アデニンとチミン,シトシンとグアニン)である.遺伝情報は4文字A,T,C,Gで書かれているのである.
一方,タンパク質の材料はアミノ酸である.タンパク質を作るにはどういう順番でアミノ酸を繋げればいいか,それを指定するのが遺伝子である.
アミノ酸1個は塩基3個(コドン)で指定されるので,64通りの塩基の組み合わせが可能である.アミノ酸は20個ほどしかないので,同じアミノ酸を指定するコドンが6種類の場合もあれば,1種類しかない場合もある.4種類ある場合,コドンの3文字目が置き換わって作られるアミノ酸は変わらない.また,どのアミノ酸にも対応せず合成の停止を意味するコドンもある.
生命がもっと単純な時代には2文字のみのコドンを使っていたのかもしれないが,ワイソフ構成された多胞体も0/1の2文字からなる遺伝子をもっていて,それによりいろいろな種類の多細胞体が形成される.
4通りの組み合わせ(00,01,10,11)が可能であるが,遺伝情報の読みとり方はDNAの場合とは異なっている.
先週,京大数理解析研で行われた「強非周期タイル集合とその周辺」に参加.昨年に引き続いて,その解読方法についての講演を行った.ちなみに私がこの解読法を会得するまで2年以上かかってしまった.
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