■中川四十環(その9)

 正四面体の面と面を接合して三角形面からなる捻れた柱(Boerdijk-Coxter helix)を作ることができる.正四面体を1個接合させる毎に面数は2,辺数は3,頂点数は1増えるから,k連結体では

  面数:2k+2,辺数:3k+3,頂点数:k+3

で与えられる.

 まや,この立体らせんのねじれ角は

 cosθ=−2/3,θ=arccos(−2/3)

 θ=π+arctan((1−c^2)/c)=π+arctan(−√5/2)=131.81°

 2arctan(√5)=π+arctan(−√5/2)=131.81°

で,正四面体立体らせんのねじれ角は無理数であるため,連結数を無限に増やしても投影図上頂点が重なることはない.

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 中川四十環の場合,

  面数:82,辺数:123,頂点数:43

となるが,四十環の座標を数値計算し,最初の3個の頂点と最後の3個(41−43)の頂点3個の座標を比較することにした.

  A(1/√2,0,−1)

  D(1/√2,0,1)

  C(−1/√2,1,0)

  B(−1/√2,−1,0)

を初期値として,次の頂点座標を計算をするのであるが,この数値計算の欠点は,誤差が累積を避けられないことである.

 一方,利点は,ポリドロン模型では重力の影響でねじれ角が狂ってくるが,数値計算では無重力状態で計算できることである.

 辺の長さ2に対して,3点間の距離は

  0.54872,0.329232,0.47043 

であった.x方向にわずかに重なるが,この距離のズレは主に最初の面と82番目の面のねじれによるものであった.

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