■n次元平行多面体数(その179)

 (その175)の続き.256象限に240個の点をどのように配置させたらいいのかが問題になっている.

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 実際にやってみてわかったことは,E8格子の構成はかなり大変であるということである.2^8=256個を隅に並べるような配置では隙間だらけで密にはならないのである.

 具体的には八元整数を使って,整数係数の八元数のほか,適当に半整数のの座標を付加して作るのが普通であるが,整数格子から点をうまく間引いて作ることもある.

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【1】ケイリー整数とE8格子

 八元数Σajejにおいて,係数aj(j=0~7)が

  1)整数値をとるもの

  2)半整数値の奇数倍をとるもの

  3)4個が整数値,4個が半整数値の奇数倍をとるもの

を加えて,「ケイリーの整数」と呼びます.

 ただし,3)において整数である番号は(i,j,k)7組に0(実数)を加えた集合および(0〜7)に対するその補集合の14組に限ります.

 このような点をすべてとると,8次元空間内で隣り合う2点間の距離がすべて1の格子ができあがります.原点に隣接する点は240個あり,それらと原点を結ぶベクトルが例外型リー環のE8ルート系を表すので,この格子をE8格子といいます.

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