■立方体に内接する最大の正多面体(その8)

 今回のコラムで取り上げるのは,残り4つのケース

  T in O, T in D, I in T, I in O

です.

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【1】T in O

 正八面体のひとつの面が正四面体の面と一致し,残りの頂点が正八面体の面の接触するとき,正八面体に内接する最大の正四面体が得られます.このとき,体積比は

  √2/12・3/√2=1/4=0.25

になります.

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【2】T in D

 正十二面体の8個の頂点を結ぶと,正十二面体の中に立方体ができます.また,正四面体の6個の面の対角線を結ぶと,立方体の中に正四面体ができます.したがって,体積比は

  φ^3・4/3(15+7√5)=0.184262

になります.

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【3】I in T

 正二十面体の辺心図において,[1,1,1]方向を向く切頂面は8面ありますが,このうちの4面が正四面体の4面と接する配置をとるとき,正四面体に内接する最大の正二十面体が得られます.

  d=(√5−1)/2=1/φ

とおくと,この切頂面は点(0,1,d),(d,0,1),(1,d,0)を通りますから

  x+y+z=1+d=φ

で表されます.

 このことから,正四面体の1辺の長さは

  2√2φ

体積比は

  (2d)^3(15+5√5)/12/{(2√2φ)^3√2/12)}

  =(15+5√5)/4φ^6=0.364745

であることがわかります.

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【4】I in O

 正八面体の12個の辺を1:φに内分する点を結ぶと,正八面体の中に正二十面体ができます.正八面体の1辺の長さを1とするとき,

  1/(1+φ)=1/φ^2,φ/(1+φ)=1/φ

ですから,余弦定理より正二十面体の1辺の長さkは

  k^2=1/φ^4+1/φ^2−2・1/φ^2・1/φ・cos60°

  k=√2/φ^2

 体積比は

  2√2/φ^6・(15+5√5)/12・3/√2=0.72949

となります.

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