■n次元平行多面体数(その122)

 幾何学的に見て,ボロノイベクトルは正単体の中心とl次元面の中心を結ぶベクトルである.それに対して

  n(n+1)/2

は正単体の辺に平行なベクトルである.これは平行な組をもっていない.

 n次元の結晶と準結晶は,より高次元の立方体の射影として同じ文脈でとらえることができるが,その違いについてまとめておきたい.

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[1]結晶は(n+1,2)次元までの立方体の射影である.それを超えるとn次元空間を周期的に充填することができなくなるので,準結晶となる.

[2](n+1,2)次元までであってもそれが立方体でない場合は,結晶にはならない.すなわち,n−2次元面に沿った2次元平面への射影は平行四辺形,六辺形でなければ結晶にはならない.

[3]さらに結晶ではファセット数の最大値が2(2^n−1),頂点数の最大値は(n+1)!である.これらを超えると結晶にはならない.

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