■ある無限級数(その50)

 ラマヌジャンのΔ関数

  Δ(z)=exp(2πiz)Π(1−exp(2πinz))^24

      =Στ(n)exp(2πinz)

については,

  Δ(z)={(240E4(z))^3−(504E6(z))^2*/12^3

  E6(i)=0→E4(i)1/20・Δ(z)^1/3

  Δ(−1/z)=z^12Δ(z)   (保型性)

===================================

 したがって,

  F(α)=α^6Δ(iα/π)

=α^6exp(2α)Π(1−exp(−2nα))^24

=α^6Στ(n)exp(−2nα)

 αβ=π^2ならば,F(α)=F(β)という対称性の高い形で書くことができます.

 また,

  Δ(−1/z)=z^12Δ(z)   (保型性)

から,

  τ(n)=O(n^6)

も出てきます.ラマヌジャン予想は

  τ(n)=O(n^11/2)

と同値です.

===================================

 ラマヌジャンは

  τ(n)=O(n^11/2+ε)

と予想した.ラマヌジャン自身はτ(n)=O(n^7)であることを証明したが,ハーディはτ(n)=O(n^6),ランキンはτ(n)=O(n^29/5)であることを証明した.

 1974年,ドリーニュが,ラマヌジャン予想

  τ(n)=O(n^11/2+ε)

を証明してみせた.この業績により彼にはフィールズ賞が与えられている.

===================================