■ある無限級数(その45)

  1−1/3+1/5−1/7+・・・=π/4

はライプニッツ級数,グレゴリー級数と呼ばれますが,それよりも300年近い前(1400年頃),インドのマーダヴァが証明済みだったとのことです.

 それでに対して,

  1−2+3−4+・・・=1/4

  1+1+1+1+・・・=−1/2

  1+2+3+4+・・・=−1/12

  1^3+2^3+3^3+4^3+・・・=1/120

  0!−1!+2!−3!+4!−・・・=0.5963

などは発散級数についての「総和法」で説明されます.

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[1]1−2+3−4+・・・=1/4

=lim(x−2x^2+3x^3−4x^4+・・・)  (x→1)

=limx/(1+x)^2=1/4    (アーベルの総和法)

[2]0!−1!+2!−3!+4!−・・・=0.5963

=Σ(−1)^n∫t^nexp(−t)dt

=∫exp(−t)/(1+t)dt=0.5963    (ボレルの総和法)

 0.596347355・・・はゴンペルツの定数と呼ばれる(1825年).オイラーはこの値をΣ(−1)^nn!と書き直した.

[3]1+2+3+4+・・・=−1/12

S=1+2+3+4+・・・

4S= 4  +8  +12  +16+・・・

−3S=1−2+3−4+・・・

 ここで,

lim(x−2x^2+3x^3−4x^4+・・・)  (x→1)

=limx/(1+x)^2

より

−3S=1−2+3−4+・・・=1/(1+1)^2=1/4

S=−1/12

[4]1^3+2^3+3^3+4^3+・・・=1/120

 ゼータ関数ζ(s)=1^-s+2^-s+3^-s+4^-s+・・・において,

  ζ(−1)=−1/12,ζ(−3)=1/120

[5]1−1^1+2^2−3^3+4^4−・・・=0.70416996・・・

=1+Σ(−1)^nn^n/n!∫t^nexp(−t)dt

=∫exp(u−uexp(u))du

=∫dx/x^x=0.70416996・・・

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