■いまだに答えられていない素数問題(その6)

【1】エリオット・ハルバーシュタム予想

 任意の正の整数qとqと互いに素なaに対して

  x=a  (mod q)

となる,x以下の素数の数をπ(x,q,a)とする.

 π(x,q,a)はπ(x)/φ(q)におおよそ等しい(φ(q)は1からq−1までの整数のうち,qと公約数をもたないものの個数).その際第誤差

  E(x,q)=max{π(x,q,a)−π(x)/φ(q)}

に対して,

  ΣE(x,q)≦C/logx

となる定数Cが存在する.

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【2】双子素数予想

 2013年の5月にニューハンプシャー大学の数学者ツァンが,差が7千万以下の異なる素数の組が無限個存在するという証明をして,数学者たちを驚かせた.

 「7千万」を「2」に変更できれば双子素数予想の解決になるというわけであるが,画期的な報告はいってもまだまだ遠い・・・.とはいえ,ある一定の数だけ離れた素数のペアが存在するという報告はこれが初めてであった.

 同年,メイナードは「7千万」を「600」まで下げた.さらにメイナードは「270」まで下げたのであるが,エリオット・ハルバーシュタム予想が正しければ12まで下げられるという.

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