■いまだに答えられていない素数問題(その2)

  1^2+1=2     (素数)

  2^2+1=5     (素数)

  4^2+1=17    (素数)

  6^2+1=37    (素数)

  8^2+1=65    (素数でない)

 10^2+1=101   (素数)

 14^2+1=197   (素数)

 16^2+1=257   (素数)

 20^2+1=401   (素数)

 24^2+1=577   (素数)

 26^2+1=677   (素数)

 36^2+1=1297   (素数)

 40^2+1=1601   (素数)

 54^2+1=2917   (素数)

 56^2+1=3137   (素数)

 66^2+1=4357   (素数)

 74^2+1=5477   (素数)

 84^2+1=7057   (素数)

 90^2+1=8101   (素数)

 94^2+1=8837   (素数)

 110^2+1=12101   (素数)

 116^2+1=13457   (素数)

 120^2+1=14401   (素数)

 124^2+1=15377   (素数)

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【1】10を原始根とする素数

  1/7=0.142857142857・・・

    (循環節:142758の長さ6)

  1/17=0.0588235294117647・・・

    (循環節:0588235294117647の長さ16)

のように,1/pを10進法で小数展開したときの循環節の長さがp−1となる特別な素数を10を原始根とする素数といいます.

 10を原始根とする素数,たとえば,

  7,17,19,23,29,47,59,61,97,・・・

の密度について,アルティンは

  π10(x)〜Cx/(logx)

と予想しています.

 ただし,pを素数として,Cは

  C=Π(1−1/p(p−1))=0.37395・・・(アルティンの定数)

 ここでふたたび,オイラー積のアナログ:アルティン積が出現しました.もし,これが正しいとすれば,このような素数は無限にあり,素数全体のうち約3/8を占めることになるのですが,残念ながら証明されていません.

 しかしながら,リーマン予想:ζ(s)の零点がs=−2,−4,・・・,−2nとs=1/2+tiの線上にある:が正しいと仮定するとアルティン予想の成り立つことが証明できることがわかっています.

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【2】n^2+1型素数

 n^2+1型素数は無数にあるでしょうか? これも無数に存在すると予想されていますが,証明はわかっていません.

 数n=k^2+1が素数である確率は,おおよそ

  1/logn・1/√n

したがって,

  πq(x)〜C∫(2,x)dt/(logt・√t)〜C√x/(logx)

と予想できます.ハーディとリトルウッドはCの値も決定しています.

  C=Π(1−χ(p)/(p−1))

  n^2+1=0 (modp)→ χ(p)=1

  n^2+1≠0 (modp)→ χ(p)=−1

  C=Π(1−(−1)^(p-1)/2/(p−1))=1.3727・・・

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【3】素数定理の広い一般化(ベートマン・ホーン予想)

  f1(n)=ad1n^d1+ad1-1n^d1-1+・・・+a10

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  fr(n)=adrn^dr+adr-1n^dr-1+・・・+ar0

  f=f1・f2・・・fr

の場合の素数定理は

  πf(x)〜1/(d1・・・dr)C∫(2,x)dt/(logt)^r

と予想されています.

  r=1,f(n)=n→素数定理

  r=1,f(n)=an+b→算術級数型素数定理(ディリクレの定理)

  r=1,f(n)=n^2+1→n^2+1型素数定理

  r=2,f1(n)=n,f2(n)=n+2→双子素数定理

に他ならず,いずれもベートマン・ホーン予想の特別な場合となっています.

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