■非周期模様(その11)

 (その8)を補足.

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【1】正単体の高さ

 三角形の面積は底辺かける高さ割る2であるが,三角錐になると底面積かける高さ割る3,四次元の三角錐なら底体積かける高さ割る4,五次元なら底四次元面積かける高さ割る5・・・.

 正単体の体積を求めるにあたって問題となるのは,その高さである.高さを求めるために,n次元正単体の頂点の座標を

  (1,0,・・・,0)

  (0,1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,1)

  (x,x,・・・,x)

とする.稜の長さが√2の正単体であるから,

  x={1−√(1+n)}/n

とすることができる.

 これらの座標が与えられたとき,底面

  (1,0,・・・,0)

  (0,1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,1)

の重心は

  (1/n,1/n,・・・,1/n)

であるから,頂点

  (x,x,・・・,x)

との距離(高さ)Hnは,

  Hn=√(1+1/n)

で与えられることになる.

 したがって,漸化式

  Vn=Vn-1×Hn/n

より,

  Vn=√(1+n)/n!

を得ることができる.

 V2=√3/2,V3=1/3,・・・

となるが,V2,V3はピタゴラスの定理を使えば中高生でも簡単に確かめることができるであろう.

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【2】正単体の頂点座標

  Hn=√(1+1/n)

は,稜の長さが√2の正単体の高さであるから,1の場合に規格化すると

  Hn=√((n+1)/2n)

→n=2のとき,√3/2

→n=3のとき,√6/3となる.これより,

[1]n=1→(1/2),(−1/2)

[2]n=2→(1/2,0),(−1/2,0)を底辺とすると,頂点は(0,√3/2)

 これをy軸の負の方向に平行移動して,中心を原点にもってくると,

  (1/2,−√3/6),(−1/2,−√3/6),(0,√3/3)

[3]n=3→(1/2,−√3/6,0),(−1/2,−√3/6,0),(0,√3/6,0)を底面とすると,頂点は(0,0,√6/3)

 これをx軸の負の方向に平行移動して,中心を原点にもってくると,

  (1/2,−√3/6,−√6/12),(−1/2,−√3/6,−√6/12),(0,√3/3,−√6/12),(0,0,√6/4)

 この操作を順次繰り返す.

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