■n次元平行多面体数(その82)

 (その81)では

[6]菱形n(n+1)面体(平行辺3組)→2n次元立方体の射影による空間充填

と考えてみたが,最も整合性が取れないと感じることは以下の点である.

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 菱形だけでできている菱形多面体の場合を考えます.菱形のすべての稜は2方向,菱形六面体のすべての稜は3方向,菱形十二面体では4方向,菱形三十面体では6方向を向いているのですが,菱形二十面体では5方向,菱形十二面体(第2種)では4方向を向いています.一般にすべての稜がn方向を向くとき,面数はf=n(n−1)となります.

  f=n(n−1)=2,6,12,20,30,42,56,・・・

  e=2n(n−1)

  v=n(n−1)+2

 これらはn次元立方体を3次元空間に投影したものと考えることができます.菱形30面体は6次元空間における立方体の3次元版,菱形12面体は4次元空間における立方体の3次元版,菱形90面体は合同な菱形だけでできている菱形多面体ではないが,10次元空間における立方体の3次元版に相当するというわけです.

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[雑感]面数でなく,辺数で数えると

  e=2n(n−1)=6→n=3

はいいとしても

  e=2n(n−1)=5→n=NGとなる.

2n(n−1)=2gとするならば,面数で数えても同じことになる.

 菱形30面体を平面に投影すれば20角形→したがって,10次元立方体とするのが最もわかりやすいと思われる.

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