■黄金比の眠るほこら(その23)

[Q]R≧2rを証明せよ.等号が成り立つのはどのようなときか.

 外接円と内接円の中心間の距離をdとおくとき,R^2−2Rr=d^2が成り立っています(チャップルの定理またはオイラーの定理).

 この関係式を導き出せば,ただちにR≧2rがわかるのですが,この関係式を導き出すことは見かけよりもやっかいで,ヘロンの公式を使ったほうがほうが簡単です.

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 ヘロンの公式とは,

Δ^2=(2a^2b^2+2b^2c^2+2c^2a^2−a^4−b^4−c^4)/16

  =(a+b+c)(−a+b+c)(a−b+c)(a+b−c)/16

ここで,2s=a+b+cとおくと

Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)

となり,おなじみの平面三角形のヘロンの公式が得られます.

【補】双心四角形

 内接円と外接円の両方をもつ四角形(双心四角形)では,

  2r^2(R^2+d^2)=(R^2−d^2)^2    (フースの定理)

が成り立ちます.

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