■n次元平行多面体数(その61)

 (その60)はP=Q問題と呼ぶべきものであったが,ここからはP×Q=R×S問題のとりかかりたい.単数(と順序)を除いて,素因数分解は一意であるかどうかといい換えることもできるだろう.

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P×Q

=[p0,0,0,0][q0,q1,q2,q3]

 [p0,p1,0,0][0,q0,q1,q2]

 [p0,p1,p2,0][0,0,q0,q1]

 [p0,p1,p2,p3][0,0,0,q0]

=[p0q0,p0q1,p0q2,p0q3]

 [p0q0,p0q1+p1q0,p0q2+p1q1,p0q3+p1q2]

 [p0q0,p0q1+p1q0,p0q2+p1q1+p2q0,p0q3+p1q2+p2q1]

 [p0q0,p0q1+p1q0,p0q2+p1q1+p2q0,p0q3+p1q2+p2q1+p3q0]

この対角要素が直積のfベクトルである.

 第1行を第n(>1)行から引くと

=[p0q0,p0q1,p0q2,p0q3]

 [0,p1q0,p1q1,p1q2]

 [0,p1q0,p1q1+p2q0,p1q2+p2q1]

 [0,p1q0,p1q1+p2q0,p1q2+p2q1+p3q0]

 第2行を第n(>2)行から引くと

=[p0q0,p0q1,p0q2,p0q3]

 [0,p1q0,p1q1,p1q2]

 [0,0,p2q0,p2q1]

 [0,0,p2q0,p2q1+p3q0]

 第3行を第n(>3)行から引くと

=[p0q0,p0q1,p0q2,p0q3]

 [0,p1q0,p1q1,p1q2]

 [0,0,p2q0,p2q1]

 [0,0,0,p3q0]

k列の和が直積のfkであるから,第2行〜第n号を第1行に加えればfベクトルが求められる.

 三角行列の行列式の値は対角要素の積になるから,p0・・・pn-1q0^n

これが,r0・・・rn-1s0^nに等しいことになる.

 ここで,

  (r0,・・・,rn-1)=k(p0,・・・,pn-1)

  (s0,・・・,sn-1)=1/k(q0,・・・,qn-1)

かどうかは決定できないが,pn=1,qn=1まで拡張したfベクトルを考えればこれはあり得ない.

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[雑感]ここまでの分は,コーシー・シュワルツの不等式を使った方がきれいに証明できそうだ.

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