■黄金比の眠るほこら(その19)

 (その18)は中心に関して偏心性ではあったが,x軸に関して対称であった.今回はx軸に関して非対称なものを扱う.

 シュタイナーの定理では,円鎖がうまく閉じるはどうかに関わらず,円鎖を構成する円の中心はすべてひとつの楕円上にある.アルキメデスのアルベロス(靴屋のナイフ)円列はシュタイナーの円鎖の特別な場合になっていて,円の中心はすべて基線上に長径をもつ楕円の上にのっている.この円列の円の中心から基線までの距離は半径の2倍,4倍,8倍,・・・となる(パップス).

 また,一般に3つの円に接する4つ目の円を描く問題が「アポロニウスの問題」であり,この操作を無限に繰り返してできる図形をアポロニウスのガスケットという.フォードの円列,アルキメデスのアルベロス円列はアポロニウスのガスケットの特別な場合になっている.

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