■n次元平行多面体数(その56)

 パスカルの三角形のn行の奇数と偶数の割合を計算する.n→∞のとき,奇数と偶数の比は0に近づく.

 もっと正確の評価すると,はじめのn行に現れる奇数の個数をPnとすると

  0.812<Pn/n^log2/log3<1

となるのだそうだ.

  0.812・n^log2/log3<Pn<n^log2/log3

 log2/log3

はフラクタル次元だと思われる.

 はじめのn行に現れる奇数と偶数の合計はn(n+1)/2≒n^2/2

であるから,奇数の比率Qnは

  1.624・n^log2/log3-2<Qn<2・n^log2/log3-2

となって,はじめのn行でみてもn→∞のとき,奇数と偶数の比は0に近づくのである.

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【1】シェルピンスキーの三角形とパスカルの三角形

 係数が奇数である場合にそのセルを黒くするとセルオートマトンの規則90

  Ci(t+1)=Ci-1(t)+Ci+1(t)  (mod2)

で与えられるようなネスト型の三角形パターンを生成する.このパターンはシェルピンスキーの三角形と呼ばれるモザイク模様である.

 シェルピンスキーがこの三角形を発見したのは1915年である.この事実は,パスカルの三角形にはまだ新たな発見があり得ることを示している.

 係数が3で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,係数が4で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,係数が5で割り切れないとき場合にそのセルを黒くする,・・・という作業を続けてた場合も左右対称なモザイク模様が現れる.

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