■正三角形の整数三角形分割(その7)

 1辺の長さがdの正三角形の中に点Pがあり,3頂点との距離はそれぞれa,b,cになっている.このとき,

  3(a^4+b^4+c^4+d^4)=(a^2+b^2+c^2+d^2)^2

が成り立つ.この公式を知っていれば答は簡単である.しかし,誤れば失敗するし,かといって自ら導き出すのも骨の折れる作業である.

 コラム「正三角形と整数距離」では,a,b,cが等差数列になっているものとする.公差e

  a=b−e,b,c=b+e

  a^2=(b−e)^2,a^4=(b−e)^4

  c^2=(b+e)^2,c^4=(b+e)^4

  a^2+b^2+c^2=3b^2+2e^2

  a^4+b^4+c^4=3b^4+12b^2e^2+2e^4

  3(3b^4+12b^2e^2+2e^4+d^4)=(3b^2+2e^2+d^2)^2=d^4+2(3b^2+2e^2)d^2+(3b^2+2e^2)^2

  d^4−(3b^2+2e^2)d^2+12b^2e^2+e^2=0

  D=(3b^2+2e^2)^2−4(12b^2e^2+e^2)=9b^4−36b^2e^2=9b^2(b^2−4e^2)

 計算しやすいようにするためには

  b^2−4e^2=f^2,b^2=(2e)^2+f^2

 a,b,c,dがいずれも整数となるようなパラメータ解を求めたいのであるが,(b−2e)(b+2e)=f^2となることが必要条件である.

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