■黄金比と白銀比(その8)

 (その7)で「カオス」を取り上げた理由について説明しておきたい.

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【1】もうひとつの白銀比

[Q]長方形から正方形を2つ切り取った後に残る長方形がもとの長方形と相似になるのは?

[A]1:x=x−2:1 → x=1+√2

[Q]長方形から正方形をn個切り取った後に残る長方形がもとの長方形と相似になるのは?

[A]1:x=x−n:1 → x=(n+√(n^2+4))/2

 これは黄金比のもうひとつの一般化であるが,この操作は無限連分数

  (n+√(n^2+4))/2=[n:n,n,n,,n,・・・]

で表されることと同義である.

  φ=[1:1,1,1,,1,・・・]

  1+√2=[2:2,2,2,2,・・・]

  (3+√13)/2=[3:3,3,3,3,・・・]

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 「白銀比」は黄金比のある種の一般化である,周期長さ1をもつ周期的連分数として表すことのできる数として定義される.

  τ+/-N=N±1/τ+/-N → x^2−Nx±1=0

より

  τ+1=1+1/τ+1→t+1=φ

  τ+2=2+1/τ+2→t+2=1+√2

  τ-4=−4+1/τ-4→t-4=2+√3

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【2】まとめ

 ロジスティック・モデルではk=1+√6やk=1+2√2が出現しましたが,白銀比あるいは高貴な数は決定論的カオスを研究している物理学者にとって有名なものになっています.

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