■素数定理とエラトステネスのふるい(その34)

【1】フェルマーの定理

 pが素数なら,a^p−aはpで割り切れる.

 pが素数,aとpは互いに素ならば,a^p-1−1はpで割り切れる.

 nが素数であることは2^n−1が素数であるための必要条件です.しかし,逆の十分性は成り立ちません.

  2^2−1=3  (素数)

  2^3−1=7  (素数)

  2^5−1=31  (素数)

  2^7−1=127  (素数)

  2^11−1=2047=23・89  (非素数)

  2^13−1=8191  (素数)

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【2】フェルマーの発見

 フェルマーは

  2^37−1=137438953471=223・61631877

を発見しています.

 p=37n+1、n=1は偶数なので,p=74n+1型と書ける.

  n=1:p=75(非素数)

  n=2:p=149(素数)であるが,因数ではない.

  n=3:p=223(素数)であり,因数でもある.

  137438953471=223・61631877

 フェルマーは,この発見は

[1]nが素数でないとき,2^n−1は素数ではない

[2]nが素数のとき,2^n−2は2nで割り切れる

[3]nが素数であり,pが2^n−1の素因数であるとき,p−1の倍数である

に基づいていると書いています.

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【3】フェルマー・テスト

 pが素数,aとpは互いに素ならば,a^p-1−1はpで割り切れる・・・は,任意の0<a<pに対して,a^p-1=1  (modp)が成り立つと同義です.

 そこで,nの素数性を知りたいとき,nより小さい任意のaに対して

  a^n-1=1  (modn)

が成り立たなければ,nは素数でないことになります.

 成り立てば素数である可能性は高く,しかし,多くのaについてこれが成り立てば,素数である可能性は非常に高くなるというわけです.

 しかし,擬素数と判定されるいくつかの数があり,さらに,nと互いに素なすべてのnに対してこれが成り立つ合成数がカーマイケル数(完全擬素数)です.

561=3・11・17  (最小のカーマイケル数)

1729=19・91

28217・13・31

172081=7・13・31・61

 カーマイケル数を配慮する必要をなくすように改良したものがミラー・ラビンテストです.

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