■素数定理とエラトステネスのふるい(その11)

[1]aが偶数ならa^2は4の倍数,aが奇数ならa^2は8N+1

  (2n+1)^2=4n(n+1)+1

[2]a,bが奇数ならa^4+b^4は16N+2

  a^2=8x+1,b^2=8y+1

  a^4+b^4=(8x+1)^2+(8y+1)=64(x^2+y2)+16(x+y)+2=16N+2

[3]x^4+y^4=z^4をみたす整数(x,y,z)は存在しない

  [2]を使うと,このことを証明することができるが割愛.

[4]x^2+y^2=3z^2をみたす整数(x,y,z)は存在しない

 (証)x,yのどちらも奇数が,一方のみが奇数のとき

  x^2+y^2=1,2  (mod4)

しかし,3z^2=0,3  (mod4)

 (別証)aが3と互いに素→a=1,2  (mod3)→a^2=1  (mod3)

  x,yのどちらも3と互いに素→x^2+y^2=2  (mod3)

  一方のみが3と互いに素→x^2+y^2=1  (mod3)

しかし,3z^2=0  (mod3)

[5]x^2+y^2=7z^2をみたす整数(x,y,z)は存在しない

[6]2x^2+3y^2=z^2をみたす整数(x,y,z)は存在しない

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[まとめ]互いに素な整数a,bに対する平方の和a^2+b^2は3で割れません.

  a=3k   → a^2=9k^2

  a=3k+1 → a^2=9k^2+6k+1

  a=3k+2 → a^2=9k^2+12k+4

より,a^2を3で割ったときの余りは0か1になります.0になるのはaが3の倍数のときです.

 b^2に対しても同じことが成り立ちますから,a^2+b^2を3で割ると,余りは0+0,0+1,1+0,1+1にしかなりません.0+0はaもbも3の倍数であることに対応していて,仮定に反します.

 4n+3の数はa^2+b^2の形にならないことも簡単に示すことができます.

  a=4k   → a^2=0  (mod 4)

  a=4k+1 → a^2=1  (mod 4)

  a=4k+2 → a^2=0  (mod 4)

  a=4k+3 → a^2=1  (mod 4)

したがって,a^2+b^2を4で割ったときの余りは0+0,0+1,1+0,1+1にしかならないので,この主張が示されました.

 pを素数として,p=x^2+y^2を満たす整数x,yが存在するための必要十分条件は

  p=1(mod4)またはp=2

であることは有名です.

 それに較べてあまり知られていないのですが,p=x^2−xy+y^2を満たす整数x,yが存在するための必要十分条件は

  p=1(mod3)またはp=3

が成り立つことです.

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