■FCC核モデルの木工製作(その2)

 ノーマン・クック氏のFCC核モデルは正四面体と正八面体を組み合わた「ポリオクテット構造」が基本形になっている.以下,中川宏さんによる第1近似作品を掲載する.

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【1】ポリオクテット構造のFCC核モデル

 層にするためには正八面体を2等分しなければならないが,全体としては切頂四面体と正八面体の中間の八面体(正三角形4面と六角形4面からなる)になる.

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【補】ポリキューブ構造

 立方体は単独で空間全体を格子状に埋めつくすことができる.立方格子状配置,すなわち角砂糖の箱の封を切ったときに見えるパターン(ポリキューブ)についてはこれ以上説明するまでもないだろう.

 アリストテレスは,5つの正多面体のうち空間を完全に埋め尽くすのは立方体(ポリキューブ)と正四面体だけであると主張したらしい.しかし,正四面体は単独では空間充填できない.それでは

(Q)ひとつの頂点を共有するようにして正四面体をいくつ並べることができるか?

(A)20個の正四面体は1点を共有できるが,その隙間は21番目の正四面体を押し込めるほど大きくはない.

(Q)ひとつの辺を共有するようにして正四面体をいくつ並べることができるか?

(A)正四面体の二面角はcosθ=1/3→70.5288°.したがって,5個の正四面体は1辺を共有するが,7°くらいの隙間が残ってしまう.

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