■ケプラー三角形の問題(その1)

[Q]半径が1の内接円に外接する二等辺三角形がある.二等辺三角形の面積が最小のとき,三角形の高さを求めよ.

 この問題では二等辺三角形となっているが,面積が最小となるのは正三角形であろう.その場合,外接球の半径は2であるから,底辺の長さは2√3.したがって,正三角形の高さは3となる.

[Q]半径が1の内接円に外接する二等辺三角形がある.二等辺三角形の辺の長さの和が最小のとき,三角形の高さを求めよ.

でも答えは同じである.

 それでは,中川宏さんからの問題

[Q]半径が1の内接円に外接する二等辺三角形がある.二等辺三角形の等辺の長さが最小のとき,三角形の高さを求めよ.

ではどうなるだろうか?

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【1】ケプラー三角形

 答えを先にいうと,高さはτ^2=2.618になる.正三角形よりわずかに背の低い二等辺三角形であるが,この二等辺三角形を2等分した三角形は3辺の長さ比が1:√τ:τの直角三角形(ケプラー三角形)として知られている.

 ケプラー三角形には,ピタゴラスの定理と黄金比という数学的に重要なコンセプトが2つ含まれている.

 この答えは微分を使って簡単に求められるのであるが,要請されているのは微分を使わない解法である.微分なしに済ませられる問題なのだろうか?=相加平均・相乗平均不等式にもちこめる問題なのだろうか?

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