■φ形式の算法(その8)

【1】黄金比

 黄金比φは2次方程式:x^2 −x−1=0の根であり,φ=(√5+1)/2=1.618です.1/φ=φ−1ですから,黄金比の逆数1/φは(√5−1)/2=0.618になります.正五角形の対角線の長さは辺の長さの黄金比倍で,古来より調和のとれた美しい比としてたくさんの美術作品の中に使われてきました.岩波新書版の縦横比もおおよそ黄金比倍になっています.また,植物の葉序に黄金比が使われていることは有名な話であり,黄金比は身近な現象にもしばしば登場しこの種の話題には事欠きません.

 黄金比φには多くの性質があり,

1,φ,φ^2 ,φ^3 ,φ^4 ,φ^5 ,・・・という等比数列を考えると,

1+φ=φ^2 ですから

φ^n =φ^n-1 +φ^n-2

ここで,ガウス記号[x](xを超えない最大の整数)を用いると,数列{[φ^n-1 ]}の各次数に対応して得られる整数列は

1,1,2,3,5,8,13,・・・

すなわち,フィボナッチ数列{Fn }となります.

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   φ^n-2<Fn<φ^n-1

   φ^n-3+φ^n-2<Fn+1=Fn-1+Fn<φ^n-2+φ^n-1

   φ^n-1=φ^n-3(1+φ)=φ^n-3+φ^n-2<Fn+1<φ^n-2+φ^n-1=φ^n-2(1+φ)=φ^n

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