■地球を測った男たち(その9)

 (その7)(その8)で行った近似計算(H<<R)についてまとめておきたい.

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[1]x<<1のとき,

  (1+x)^a=1+ax

  (1+H/R)^2=1+2H/R

  1/(1+H/R)=1−H/R

[2]x<<1のとき,

  cosx=1−x^2/2

  sinx=x−x^/6

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 オイラーはどうやってζ(s)を発見したのでしょうか.

 オイラーは三角関数sinxの展開式(無限次多項式)が

sinx=x−x^3/3!+x^5/5!−x^7/7!+・・・

のようになることを知っていました.また,sinxはx=kπ(k:整数)で0になります.すなわち,方程式sinx=0にはx=0,x=±π,x=±2π,・・・のように無限個の解が存在することになります.

 したがって,sinxを因数分解して無限積表示すると

sinx

=xΠ(1−x/kπ)

=・・・(1+x/2π)(1+x/π)x(1−x/π)(1−x/2π)・・・

=x(1−x^2/π^2)(1−x^2/2^2π^2(1−x^2/3^2π2)・・・

=xΠ(1−x^2/k^2π^2)

となります.

 この無限積を展開して,無限次多項式の係数と比較します.たとえば,x^3 の係数を比較することにより

ζ(2)=1/1^2+1/2^2+1/3^2+1/4^2+・・・=π^2/6

が得られます.x^5 ,x^7 ,・・・の係数同士を等号で結ぶと

  ζ(4)=π^4/90,ζ(6)=π^6/945,・・・

も同様に得られます.

 cosx=1−x^2/2!+x^4/4!−x^6/6!+・・・

についても同じような方法を適用し,

1/1^2+1/3^2+1/5^2+1/7^2+・・・=π^2/8

さらに,

2(1/1^2+1/3^2+1/5^2+1/7^2+・・・)−(1/1^2+1/2^2+1/3^2+1/4^2+・・・)

=1/1^2−1/2^2+1/3^2−1/4^2+・・・=π^2/12

を得ることができます.

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