■完全数と親和数の公式(その21)

 自然数Nの正の約数の和をσ(N)で表すことにします.k=2の場合が完全数ですが,

  6=2(2^2−1)

  28=2^2(2^3−1)

のように,すべての偶数の完全数は

  2^p-1(2^p−1)

で表されます(ユークリッド).

 ただし,pおよび2^p−1が素数(メルセンヌ素数)でなければなりません.2^p-1の自分自身を含む約数の和は

  1+2+4+・・・+2^p-2+2^p-1=2^p−1

 (2^p−1)の自分自身を含む約数の和は

  1+2^p−1=2^p

 したがって,2^p-1(2^p−1)の自分自身を含む約数の和は

  (1+2+4+・・・+2^p-2+2^p-1)(1+2^p−1)=2^p(2^p−1)

2^p-1(2^p−1)の自分自身を除く約数の和は

  2^p-1(2^p−1)

になるというわけです.

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 p=2,3の次の完全数はp=5のとき,496になります.

  p=7のとき,8128

  p=11のとき,2^p−1は素数でない

  p=13のとき,33550336

  p=17のとき,8589869056

偶数の完全数はメルセンヌ素数と同じ数だけあるというわけです.

 逆に,pおよび2^p−1が素数(メルセンヌ素数)でないときは,完全数を与えないことを示しておきたい.

  6=2(2^2−1)

  28=2^2(2^3−1)

p=4のとき

  120=2^3(2^4−1)

(2^4−1)は素数ではなく,15=3・5

 したがって,

  σ(120)=σ(8)σ(3)σ(5)

=(1+2+4+8)(3+1)(5+1)=360=3・120

となって,120は(完全数ではなく)3倍完全数である.

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