■4次元の雪,5次元の雪,6次元の雪,・・・(その36)

【1】半立方体(hemicube)

 n次元の立方体(頂点数2^n)のひとつおきの頂点において,そこと相隣る頂点全体を通る超平面で切り落として残る図形は半立方体(hemicube)と呼ばれる.たまたま,3次元では正四面体,4次元では正16胞体となるが,5次元以上ではそれほど簡単な図形ではない.

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 n半立方体の切断回数は2^n-1である.1回の切断によってn−1正単体ができる.すなわち,2立方体の切断面は線分が2本,3立方体の切断面は正三角形が4面(正四面体),4立方体の切断面は正四面体が8個である.さらに8個の正四面体(3次半立方体)が加わって正16胞体となる.

 5立方体の切断面は正5胞体が16個である.さらに10個の正16胞体(4次半立方体)が加わる.6次元になると,切断面に5次元の正単体32個,さらに5次元の半立方体12個と囲まれた図形となる.

 すなわち,ファセットは

  2^n-1個のn−1正単体と2n個のn−1半立方体

からなる.fn-1=2^n-1+2n,また,f0=2^n-1

 f1=2^n-2(n,2)

 一般に,

  2^n-1(n,k+1)個のk正単体(2≦k≦n−1)と2^n-k(n,k)個のk半立方体(3≦k≦n−1)

k=3のとき,α3=hγ3であるから

  2^n-1(n,4)+2^n-1(n,3)個の正四面体

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[まとめ]

  f(n,k)=n次元立方体のk面数+2^n-k-2(n次元立方体のn−k−1面数)

ということになる.k>2であるから

  f(n,3)=n次元立方体の3次元面数+2^n-5(n次元立方体のn−4次元面数)

  f(n,4)=n次元立方体の4次元面数+2^n-6(n次元立方体のn−5次元面数

  f(n,n−1)=n次元立方体のn−1次元面数+2^-1(n次元立方体の0次元面数)=2n+2^n-1

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