■基本単体の直角三角錐分割(その20)

【1】直角三角錐の分割

 ここで取り上げる直角三角錐は

  P0(0,0,0)

  P1(1,0,0)

  P2(1,1,0)

  P3(1,1,1)

を4頂点とする四面体である.この多面体(tetradron)にはいくつかのおもしろい性質がある.

 任意の三角形の3辺の中点を結ぶと,もとの三角形は合同な4つの三角形に分割される.新たに生じた三角形はもとの三角形と相似(相似比1:2)である.このように任意の三角形は自分自身と相似な4個の三角形に分けることができる.しかし,自分自身と相似な8個の三角錐(相似比1:2)に分けることができる三角錐は稀である.tetradronは8個でもとの三角形と相似比1:2,27個で相似比1:3の三角錐にできる特殊な三角錐である.

 tetradronは2つの合同な5面体(pentadron)に分割できる.ゴールドバーグの論文によると2つの合同な5面体に分割ができる空間充填4面体はいくつか知られているが,pentadronは5種類ある平行多面体をすべて組み立てることができる特殊な5面体である.

===================================