■完全数と親和数の公式(その1)

 ある数NのN自身を除いたすべての約数の和がそれ自身と一致する数を完全数と呼びます.

  6=1+2+3

  28=1+2+4+7+14

  1/6+2/6+3/6=1

  1/28+2/28+4/28+7/28+14/28=1

すなわち,完全数では約数の調和平均は整数になります.

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【1】完全数の公式

  6=2(2^2−1)

  28=2^2(2^3−1)

ですが,すべての偶数の完全数は

  2^p-1(2^p−1)

で表されます(ユークリッド).

 ただし,pおよび2^p−1が素数(メルセンス素数)でなければなりません.したがって,その次の完全数はp=5のとき,496になります.

  p=7のとき,8128

  p=11のとき,2^p−1は素数でない

  p=13のとき,33550336

  p=17のとき,8589869056

偶数の完全数はメルセンヌ素数と同じ数だけあるというわけです.

 なお,すべての偶数の完全数は

  2^p(2^p−1)/2

と書き直すことができますから,三角数であることがわかります.

[おまけ]

  28=1^3+3^3

  496==1^3+3^3+5^3+7^3

  6を除く偶数の完全数を9で割ると1余る.

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【2】親和数(友愛数)

 ある数M,Nの自分自身を除く約数の和が相手の数になる数を親和数と呼びます.220(=2^2・5・11)と284(=2^2・71)はその最小のペアです.

  220=1+2+4+71+142

  284=1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110

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【3】イブン・クッラの公式

  p=3・2^n-1−1

  q=2p+1

  r=pq+p+q

がすべて素数ならば,M=2^npq,N=2^nrのペアは親和数になる.

  n=2→(220,284)

  n=4→(17296,18416)   (フェルマー)

  n=7→(9363584,9437056)   (デカルト)

なお,この公式で小さい方は四面体数になる.

 この公式ですべての親和数を求められるわけにはない.その組み合わせのひとつにすぎないのである.(1184,1210)は2番目に小さい親和数,(2620,2924)は3番目の親和数,(5020,5564)は4番目の親和数であるが,この公式では見つけられない.

 (12285,14595),(1175265,1438983)は奇数の親和数.

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【4】フェルマーの構成法

  2^nabと2^ncは友愛数のペアである.

   a=3・2^n−1(素数)

   b=3・2^n-1−1(素数)

   c=9・2^2n-1−1(素数)

 p=b=3・2^n-1−1とおくと

  q=2p+1=3・2^n−1=a

  r=pq+p+q=9・2^n-1−3・2^n−3・2^n-1+1+3・2^n-1−1+3・2^n−1=9・2^2n-1−1=c

であるから,これはイブン・クッラの公式と同じものである.

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【5】社交数

 2数でなく,3数以上になった場合を社交数と呼ぶ.

 12496(=2^4・11・71)

 14288(=2^4・19・47)

 15472(=2^4・967)

 14536(=2^3・23・79)

 14246(=2^3・1783)

は5個の鎖になっている.

 14316は28個の鎖になっている.

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