■置換多面体の空間充填性(その382)

 局所幾何学の手順をコンピュータにインプリメントするのは結構難しそうであるが,少しずつでも前進させたい.

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 {33334}(010110)の場合,焦点周りに集まるk次元面数が  (f1,・・・,f5)=(8,22,29,20,7)

となることを示す手順である.

【1】フラッグの焦点周りに集まるk次元面数は既知とする.

 {3334}(10110)→(1,6,13,13,6,1)

 {334}(0110)→(1,4,6,4,1,0)

 {34}(110)→(1,3,3,1,0,0)

 {4}(10)→(1,2,1,0,0,0)

 {}(0)→(1,0,0,0,0,0)

 ()→(1,0,0,0,0,0)

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【2】焦点周りに集まるファセット数を求める

 {3334}(10110)2個

 {334}(0110)×{}(1)0個

 {34}(110)×{3}(01}2個

 {4}(10)×{33}(010)1個

 {}(0)×{333}(0101)0個

 {3333}(01011)2個

[1]最も左にある1について,その場所に応じてx=1→2→3→4→・・・とする.

[2]最も右にある1について,

正単体系であればその場所に応じてy=1→2→3→4→・・・とする.

正軸体系であればその場所に応じてy=1→2→4→8→・・・とする.

[3][1,0,・・・,0]→[0,0,・・・,x]

   [0,0,・・・,1]→[y,0,・・・,0]

[4]

a)面数反転公式に従って

1に挟まれた0が1個の場合,2に置換

1に挟まれた0が2個の場合,33に置換

1に挟まれた0が3個の場合,464に置換する.以下同様.

これらはパスカルの三角形に現れる組み合わせ数である.

b)隣の成分が0である1を0に変更する.

c)両端の成分をx,yにする.

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【3】0の補間

 0になったのは,ファセットが縮退しているからであるが,縮退したファセットの数を数えることが必要になる.

[1]頂点に集まるファセット数が0のときの処理であるが,その前のファセット数がx=(x,1)ならば(x,2),(x,3),・・・であることは包除原理より理解されるところである.

x=2のとき,2→1

x=3のとき,3→3→1

x=4のとき,4→6→4→1

x=5のとき,5→10→10→5→1

[2]正単体と正軸体の比較において,3次元では(100)だけが乖離.4次元では(1000)(0100)(1100)だけが乖離している.しかし,これは頂点周りに集まるファセット数が異なるから違う値になるのは当然といえる.

[3](100)の正軸体系では最後のファセット数が4になるので,4→4→1,正単体系ではファセット数が3になるので,3→3→1

[4](1000)の正軸体系では最後のファセット数が8になるので,8→12→6→1,正単体系ではファセット数が4になるので,4→6→4→1

[5]5次元の場合,(10000)の正軸体系では最後のファセット数が16になるので,16→32→24→8→1,正単体系ではファセット数が5になるので,5→10→10→5→1になる.

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【4】行列計算

 {3334}(10110)2個

 {334}(0110)×{}(1)0個→1個

 {34}(110)×{3}(01}2個

 {4}(10)×{33}(010)1個

 {}(0)×{333}(0101)0個→1個

 {3333}(01011)2個

2,−1

12,−4

26,−6,2

26,−4,6,1

12,−1,6,2,1

2,0,2,1,0,2となって,(8,22,29,20,7)が得られる.

 最下行に頂点周りに集まるファセット数,最上段にはそれを補間した数が入ることになる.

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