■置換多面体の空間充填性(その324)

【1】反転公式

 目的の点(点あるいは辺の中点)に隣接する胞の数も,2項係数を活用して求めることができると思われる.

[1]n次元正単体において,k次元胞に接する(それを含む)m次元胞(m>k)は,双対を考えて,n−k次元胞内のn−m次元胞と同数,

  (n−k,n−m)

です.

 なお,m<kのときは,k次元正単体の含むm次元胞の数は

  (k+1,m+1)

個になります.

 nが小さい例で検してみると

[a]n=3,k=0,m=1→(3,2)=3   (OK)

[b]n=3,k=0,m=2→(3,1)=3   (OK)

[c]n=3,k=1,m=2→(2,1)=2   (OK)

[d]k=n−2,m=n−1→(2,1)=2   (OK)

[2]n次元正軸体において,k次元胞に接する(それを含む)m次元胞(m>k)は,2項係数を使って,

  2^m-k(n−1−k,m−k)

です.

 nが小さい例で検してみると

[a]n=3,k=0,m=1→2(2,1)=4   (OK)

[b]n=3,k=0,m=2→4(2,2)=4   (OK)

[c]n=3,k=1,m=2→2(1,1)=2   (OK)

[d]k=n−2,m=n−1→2(1,1)=2   (OK)

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 また,γn(超立方体)において,k次元胞を含むm次元胞(n>m>k≧0)の個数は,結果的にはαn(正単体)のときと同一になる.すなわち,

  (n−k,n−m)

 このことは

[1]γnがβn(正軸体)の双対(相反)であり,そのk次元胞がβnのn−k−1次元胞の数と一致すること

[2]βnの(n−1)次元以下の胞が正単体であること

から理解されるが,4次元正120胞体においてもこのことが成り立つのである.

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[まとめ]正単体と立方体の頂点図形は,1次元低い正単体の面数,正軸体では1次元低い正軸体の面数と等しくなった.

 たとえば,{3,3,3}の頂点の回りの集まる1次元,2次元,3次元面数はそれぞれ4,6,4である.これは

  f1=4/2・f0

  f2=6/3・f0

  f3=4/4・f0

として求めることができる.

 散在型では正12面体,正120細胞体では1次元低い対応物,正24胞体1次元低い立方体と等しくなった.

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