■和算にまなぶ(その23)

【1】正五角形の作図可能性とトレミーの定理

 辺の長さが1の正五角形の長さをzとしトレミーの定理を適用すると

  1+z=z^2 → z=(√5+1)/2

 あるいは,正五角形の辺の長さをx,対角線の長さをyとすると,

  x^2y^2=5,x^2+y^2=5

より,2次方程式(z^2−5z+5=0)の範囲内で(x,y)が求まる.

  x^2=(5−√5)/2,y^2=(5+√5)/2

 もしこれにトレミーの定理

  「円に内接する四角形の相対する辺の長さの積の和=対角線の積

     AB・CD+AD・BC=AC・BD」

を適用すれば,余分な式

  x^2+xy=y^2

がでてしまうが,

  x^2+y^2=5

  x^2−y^2=−√5

となり,連立1次方程式の範囲内で(x,y)が求まることになる.

  x^2=(5−√5)/2,y^2=(5+√5)/2

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【2】円に内接する正5角形の作図法(1)

 円Oに内接する正5角形の作図の手順は

[1]直径ABを引く

[2]ABを垂直二等分線を引き,円Oとの交点をCとする

[3]ABを垂直二等分線を引き,AOとの交点をDとする

[4]Dを中心とする半径DCの円弧を描き,ABとの交点をEとする

[5]Cを中心とする半径CEの円弧を描き,円Oとの交点をFとする

[6]CFが正5角形の1辺の長さとなる

であるが,

  DC=√5/2

  CE={(5−√5)/2}^1/2=x(1辺の長さ)

になっているというわけである.

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【3】円に内接する正5角形の作図法(2)

[1]直交する縦軸と横軸の交点Oを中心とする半径1も円を描く

[2]点A(0,1),点Z(0,−1),点M(1/2,0),点M’(−1/2,0)とする

[3]点M,M’を中とする半径1/2の円を描く

[4]点Zを中心として,点Zと点Mを結んだ線と半径1/2の円の2つの交点を通る大小の弧を描く

[5]大小の弧と半径1の円との4交点B,C,D,Eと点Aが正五角形の頂点となる(江戸時代後期の和算家・平野喜房による作図法)

であるが,

  MZ=√5/2

  DZ=(√5−1)/2,EZ=(√5+1)

  AD=y,AE=x

になっているというわけである.

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(証)ZM=√5/2,ZE=(√5+1)/2

cos∠AZE=(√5+1)/4→∠AZE=36°,∠AOE=72°

ZD=(√5−1)/2

sin∠ZAD=(√5−1)/4→∠ZAD=18°,∠DOE=∠COE=72°

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