■乙部融朗遺稿集

 乙部融朗さんの遺稿は東大数理で保管されているのであるが,河野俊丈先生のご厚意により入手することができた.

 その全容は

[1]SemiーRegular Polytope Catalog

   正胞属準正多体胞 6ページ

[2]針金模型随想など 5ページ

[3]AB柱についてなど 10ページ

[4]Topological determination of the quantity of elements on regular polytope など 10ページ

と意外に文量小部で,この中には文献の抜粋のように見えるものもある.石井源久さんの引用文献にあった「準正多体胞・私家版」というまとまった書物の形のものはないが[1]がそれの相当するものと思われる.

 おそらく資料の大半が高次元図形の針金模型であって,それらは東大数理(駒場キャンパス)に寄贈され展示されているとのことであった.

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 この遺稿を入手した目的は,埋もれた資料の発掘をし散逸を防ぎつつ,少しでも人の知るところとなってほしいとの願いから,印刷物として残しておきたいと考えたからである.石井源久先生の学位論文なども同じ目的で,既に印刷物になっている.

 これまで当該資料の抜粋を乙部さんから頂いたことはあったのだ,これで全体像を知ることができた.ざっと目を通したが,独特の用語が使わていることもあってかなり難解である.

 印刷物にすることはすでにご遺族の許可はいただいているが,思ったよりも quantityが悪く,東北大学の印刷部にお願いしたほうがよさそうだ.ともあれ,完成の折は乙部さんの墓前や河野先生の資料室,宮崎先生や石井先生をはじめとして関係各位に保管にかさばらない程度に収蔵してもらいたいと思っている.

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