■代数曲線の媒介変数表示(その1)

 有理曲線の具体例としては,2次曲線と特殊な(たとえばグラフが結節点をもつ)3次曲線などが知られています.

 与えられた曲線が原点を通るならばy=tx,(a,b)を通るならばy−b=t(x−a)という置換(割線法)は示性数が0である曲線での常套手段です.

 一般に,ある媒介変数tにより,x=x(t),y=y(t)で有理関数としたければもとの曲線の示性数(genus)が0でなければなりません.示性数が1ならば楕円曲線に還元して,楕円関数で表現することが考えられます.示性数が2以上ならば保型関数になりますが,なにか幸運な関係式でもないと具体的に表示するのは困難です.

 因数分解できて低次に還元されるでもないと無理?と思われるかもしれませんが,エピサイクロイドやハイポサイクロイドでは,

  x=f(cost,sint)

  y=g(cost,sint)

  cost=(1−s^2)/(1+s^2),sint=2s/(1+s^2)

のようにすると

  x=f(s),y=g(s)

とパラメトライズすることができます.

 また,これらの曲線は対称性を考慮することによって,陰関数h(x,y)=0にすることができますが,その逆は(不可能ではないでしょうが)困難です.数式処理ソフトではグレブナー基底を求める方法で陰関数表示しているようです.

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