■排他的数列

 排他的数列というとビーティー数列を思い出しますが,他にもおもしろい数列があります.

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【1】ビーティー数列

 レイリーの定理とは「α,βを1/α+1/β=1を満たす無理数,[]をガウス記号とするとき,2つの数列{an}={[nα]},{bn}={[nβ]}は共通項がなく,併せるとすべての整数1,2,3,・・・を与える.」というものです.

 レイリーは数列の任意の連続する2項の間には必ずもう一つの数列の項が入り込むことを発見したのですが,この定理は1962年にビーティーにより再発見されたことにより,2つの数列はビーティー数列と名付けられています.

 数列{an}がビーティー数列ならば,anの値はa1,a2,・・・,an-1の値から1以内の誤差で決定することができます.a1+an-1,a2+an-2,・・・,an-1+a1の和はすべてvまたはv+1になるからです.また,この和がすべてvならばan=v+1でなければなりません.もし,そうでなければビーティー数列ではないということになります.

 たとえば,ビーティー数列1,3,4,6,8,9,・・・において,a1+a1=2よりa2は2または3(実際は3),a1+a2=4よりa3は4または53(実際は4),a1+a3=5,a2+a2=6よりa4は6となります.

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【2】2乗和が等しい数列

 {an}={1,4,6,7,10,11,13,16}

 {bn}={2,3,5,8,9,12,14,15}

は1から16までのすべての数字を含む排他的数列ですが,驚くべき性質をもっています.

 1+4+6+7+10+11+13+16=2+3+5+8+9+12+14+15=68

はすぐ気づきますが,

 1^2+4^2+6^2+7^2+10^2+11^2+13^2+16^2=2^2+3^2+5^2+8^2+9^2+12^2+14^2+15^2=748

 1^3+4^3+6^3+7^3+10^3+11^3+13^3+16^3=2^3+3^3+5^3+8^3+9^3+12^3+14^3+15^3=9248

はなかなか気づきににくいでしょう.

 8対{1,2},・・・,{15,16}で考えると一方が{an}に,他方が{bn}に入っています.また,{an},{bn}にはそれぞれ4つの偶数,4つの奇数が属しています.

 2の累乗,たとえば,1から32までのすべての数字を含む排他的数列では4乗和でも,1から64までのすべての数字を含む排他的数列では5乗和でも等しくなるのだそうです.

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