■縮小三角形と重心座標(その7)

 任意の三角形の三辺の長さをa,b,c,外接円の半径をR,内接円の半径をr,面積をΔとする.

[Q]R≧2rを証明せよ.等号が成り立つのはどのようなときか.

(ヒント)外接円と内接円の中心間の距離をdとおくとき,

  R^2−2Rr=d^2

が成り立っています(オイラーの定理).

 この関係式を導き出せば,ただちにR≧2rがわかるのですが,この関係式を導き出すことは見かけよりもやっかいで,ヘロンの公式を使ったほうがほうが簡単です.

 ヘロンの公式とは,

Δ^2=(2a^2b^2+2b^2c^2+2c^2a^2−a^4−b^4−c^4)/16

  =(a+b+c)(−a+b+c)(a−b+c)(a+b−c)/16

ここで,2s=a+b+cとおくと

Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)

となり,おなじみの平面三角形のヘロンの公式が得られます.

[参]R^2−2Rr=d^2

はオイラーの定理として知られていますが,1746年にチャップルが発見し,オイラーは1765年に

  d^2=a^2b^2c^2/16Δ^2−abc/(a+b+c)

の形で再発見したとのことです.

[参]双心四角形

 内接円と外接円の両方をもつ四角形(双心四角形)では,フースの定理

  2r^2(R^2+d^2)=(R^2−d^2)^2

が成り立ちます.

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[Q]任意の三角形の三辺の長さをa,b,c,面積をΔとする.外接円の半径Rおよび内接円の半径rをa,b,c,Δで表せ.また,与えられた三角形が直角三角形のときのR,rをa,b,cの一次式で表せ.

(ヒント)正弦定理

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