■判別式(その16)

 これまでの計算についてまとめておきたい.

 2次式の判別式は高校数学の基本である.3次式の判別式は,私は実際に扱かったことはなかったが,理工系大学ではでてくるものと思われる.4次以上の判別式は理工系大学生であってもなじみ薄いものであろう.

 高次の判別式でももちろん存在するが,2n−1次の行列式を展開しなければならずどんどん複雑になることは間違いない.それは自分で扱うものというよりはコンピュータ計算の対象となるテーマであろう.京大が16次方程式の判別式をコンピュータで出力したというニュースがあったが,これは31次行列式に相当し,人間業ではおよびそうもない.

 しかし,どの場合も重根の存在範囲が1パラメータ曲線(あるいは2パラメータ曲面など)で表されることが理解できて面白い経験になった.判別式はパラメータ表示可能であるが,一般に高次代数方程式がうまく媒介変数表示できるのは,きわめて特殊な例外的な場合にに限られるからである.

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