■正四面体の断面(その21)

 一松信先生よりご教示いただいたことをまとめておきたい.

[1]正多面体にペトリー多角形は,3次元の場合には辺の中点をうまく結んでできる面と解釈できます(それぞれ4,6,10個ずつ同一平面上にある).しかし,これは3次元の特性のようです.4次元以上では類似の性質は存在しません.ペトリー多角形は,コクセターが定義したようにジグザグの辺をつないだそれぞれの次元空間内の折れ線とせざるを得ません.

[2]4次元の正5胞体の10本の辺を結んでできる図形はE4型(E8型の4次元版)と呼ばれる立体で,10頂点,30辺,30個の正三角形からなる2次元面,および,5個の正四面体と5個の正八面体(合計10個の胞)からなる4次元の準正多面体です.

=(3,3,3}(0100)=(3,3,3}(0010)

[3]適当な5個の点はねじれ正五角形(5個の辺が等長,ひとつ置きの頂点の距離も等長,全体で頂点間の距離は2種)になりますが,これは4次元空間の図形です.これが3次元空間に退化すると,実は一挙に2次元に退化して,正五角形(と対角線)または星型正五角形になることが知られています.

[4]したがって,3次元の正四面体の類似を4次元の正5胞体に期待すること自体が無理のように思います.

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